半年が過ぎて

半年が過ぎました。


9月14日に撮影しました。
いつもの場所から見る新町地区は、ほとんど先月から変わっていないように感じました。
でも、8月には草いきれにむせぶほどだった植物は
すっかり柔らかな色になっていました。
まだ汗を拭いながらの道中ですが、季節は秋になっています。


あちらこちらにコスモスが咲いています。


カボチャ?


あの日、海水につかり、泥に覆われた地面には
今、たくさんの花が咲いています。

種類にもよるのでしょうが、それほど影響はないということでしょうか?


何も変化がないように見える中、
不老山の入口を指す印が濃くなったような?


長音寺には囲いが付きました。


被災建物の取り壊しが進み、駅まですっかり見えています。


周囲の建物がなくなったことで、公民館の裏に流された車の姿が見えるようになりました。


野蒜駅舎には、このような掲示が。

仙台と石巻を結ぶ仙石線は、高城町と矢本の間が不通のままです。
海沿いを走る路線だったために線路ごと流されるなど被害が大きく
更にルートの変更も考えられるために復旧工事が始まらないようです。

日本全国の大部分と同じように、宮城県も車社会です。
決して公共交通機関が充実しているとはいえません。
しかし、その宮城県においては仙石線沿線は、数少ない比較的便利な路線でした。
石巻と仙台という宮城県内の二大都市を結んでいるということ
松島・塩釜という観光地を含んでいるということなどが大きかったと思います。

当然沿線に住む人々はその利便性を生活の基盤としています。
通勤・通学・買い物の足として、野蒜の人たちにとっても
仙石線は当然欠かせないものです。

現在不通区間代行バスが走っています。
この日、私も利用してみました。

バス自体は快適でしたが、日々の生活の路線と考えると
いちいち乗り継ぎをしなければいけないことには抵抗が生じるでしょう。

仙台から野蒜方面に行くには、松島海岸駅でバスへと乗り換えますが
この松島海岸駅はホームがかなり高いところにあるにも関わらず
(だから津波の影響はないのですが)
エスカレーターもエレベーターもありません。

またバスの走る松島から野蒜方面に続く海沿いの道は
片側一車線の細い道で、時間帯や曜日によってはとても混むところです。

バスの不利は様々な面から明らかです。

1年後に出来るというならまだ待つ気にもなるんだ、と地元の人はいいます。
しかし、まだどのルートを通るのかも決まっていない上に
現行のルートではなく、もっと高台を通る可能性もあるということになれば
再び電車を利用できるようになるのがいつのことになるか、今は先が全く見えません。
そうなると、現在仮設住宅に入っているような人たちは
もう野蒜に戻ってこないのではないか、と皆さんは心配しています。
新たに家を建てるとして、もっと利便性の良いところにするということは
当然の選択肢です。
時間がたてばたつほど、流出は進むでしょう。
そして、その後の野蒜はどうなってしまうのか。

とにかく、まず仙石線を通してほしい、現行ルートなら早く実現できる。
そのような思いが詰まった掲示です。